音味

音響や配信に関するメモ書

HDMIで映らない場合のトラブルシューティングと長い距離をHDMIで伝送する方法

3行でまとめると

  • 映らないときは電源供給してみる
  • 安いHDMIケーブルは5m 以上になるとトラブルが起こりがち
  • HDMI、SDIコンバータ、HDMIエクステンダ、ワイヤレスHDMIが候補

目次

長いHDMIケーブルはあると便利だけど普通のHDMIケーブルだとトラブルが起きがち

 勉強会やイベントなどでプロジェクタまでの映像は一昔前はVGAでしたが最近はHDMIのところが標準になってきたと思います。デジタルになったことでプロジェクタの文字もくっきりし参加者はスライドを見やすくなったのではないでしょうか?

 その一方で、演台からプロジェクタまでの距離が長かったり、配信機材までの距離が長かったりするときに長いHDMIケーブルを買ってきたけど映らない、ノイズが乗るなどの経験をした方は多いと思います。だいたい5mを越えてくるといやな予感しかしません。とはいえ長い距離をHDMIで伝送したい場合はあります。

HDMIケーブルで映らないときのトラブルシューティング

 もし、長い目のHDMIケーブルをつないでも認識はされているようだけどプロジェクタに映らないということがある場合は以下を確認してみましょう

ケーブルを交換してみる

 ケーブルが踏まれた、端子の付け根部分の接触が悪くなったなどの理由で映らなくなっていることもよくあります。また、さきほども書いたように長いHDMIケーブルは映らない原因になることが多いため、必要最低限の短いHDMIケーブルを使ってみましょう

VGAダウンコンバーターが原因

 もともとあった会議室でHDMIでも繋ぐことができるようにするためにHDMIVGAに変換するコンバータを使っている場合は、コンバータが原因で映らないことがあります。その場合は直接プロジェクタにHDMIを繋ぐと映るかどうか試してみましょう

電源が不足していてうつらない

 HDMI分配器を使っている場合はこの可能性が高いです。電源供給可能な分配器を利用するか、電源共有できる下記のような機材をHDMI端子に接続することで映ることがあります

 とくに罠なのが分配器ではないですが Apple の純正のUSB-C Digital AV Multiport アダプタです。実はこれも電源供給が不足して映らないことがあります。その場合は上のような電源供給できるアダプタを追加すれば映ります。USB-C Digital AV Multiport アダプタで光ファイバHDMIケーブルのような接続端子にチップが内蔵されていて使用電力が高めのケーブルを使う場合は電源供給しないと確実に映らないので注意です

f:id:brtRiver:20200310074517j:plain

長い距離をHDMIで伝送する方法

では、長い距離でも安定してHDMIで伝送したいことはあります。そういう場合は以下のような方法で準備、対応することになると思います。

1. 長尺用のHDMIケーブルを用意

長尺でも問題ないように設計されたイコライザのICが搭載されたケーブル、光ファイバHDMIケーブルを用意するパターンです。

メリット
  • ケーブルを用意するだけで他に準備するものは不要
  • 持ち運びが楽
デメリット
  • ケーブルの価格が高い (サンワサプライamazon実売価格 4,000円 ~、ただし安い光ファイバHDMIケーブルがamazonにある)
  • ケーブルが断線した場合は書い直しになる、ICが入っているため端子部分は丁寧に取り扱いが必要
  • ケーブルが長い場合は八の字巻をしないとケーブルに癖がつく
2. HDMI -> SDI、SDI -> HDMIコンバータを用意

SDIケーブルだと伝送距離は200mまでいけます。そのためHDMIをSDIに変換し伝送しHDMIで入力するところでHDMIに再度変換するという方法です。

メリット
  • 光ファイバHDMIケーブルよりも安い
  • 用意すべきHDMIケーブルは短くて良いため安定する
デメリット
  • コンバーターの数だけ電源供給が必要
  • 必要な回線数分用意するとなると機材量が増えるため持ち運びに大変
3. HDMIエクステンダを用意

SDIケーブルで伝送するのと同じ感じで、エクステンダを用意し市販のLANケーブルで伝送距離を稼ぐ方法です。

メリット
  • 光ファイバHDMIケーブルよりも安い
  • 用意すべきHDMIケーブルは短くて良いため安定する
  • 市販のLANケーブルを利用するため安く済む
  • SDIコンバータより安い
デメリット
  • エクステンダの数だけ電源供給が必要
  • 必要な回線数分用意するとなると機材量が増えるため持ち運びに大変
  • 用意するLANケーブルのカテゴリを確認すること。CAT7だと未対応とか有り
  • SDIでの伝送より最大距離が短い事が多い
4. ワイヤレスHDMI送受信機を用意

ケーブルを使わない。ワイヤレスでHDMIを送受信する方法です。ケーブルレスなのは嬉しいですが障害物に弱かったりするので注意です。

また、Hollyland からMARS 400S という強そうなのも出てきたんですね。

  • USB Type-Cで給電可能
  • HDMI, SDI対応
  • スマホのアプリで画面確認可能!
  • OLEDディスプレイ付
  • 5GHzで混線に強い
  • 8chが利用可能
  • ディスプレイみると2チャンネル分のwifiを常に探しているっぽい?(混線時に自動切り替え??

www.cinema5d.com

予算に余裕があるなら絶対欲しくなるやつですね。

メリット
  • ケーブルレスのため配線が楽
  • Hollyland MARS 400S だとワイヤレスでも快適に利用できそう
デメリット
  • 他の方法より割高
  • 同時に利用できる数に制限がある
  • 商品によっては障害物、ワイヤレスの混線により映像が映らない、乱れることがある
まとめ

 利用したいシーンでメリット・デメリットを考慮して決めることになると思います。

 たとえば、色んなイベント会場で動画配信するため長さはわからないけできるだけ長い距離を用意しなくてはならないのであれば、SDIコンバータ、HDMIエクステンダを選択すると思います。もし、そこまで広くない会場だということがわかっていれば、光ファイバHDMIケーブルにして持ち運びを楽にするという選択肢をしたり、配線がそもそも難しい場所であればワイヤレスを選択することが考えられますよね。