音味

音響や配信に関するメモ書

リモートワークで耳が疲れないようにする工夫

 リモートワークでテレカン(ビデオ会議)でイヤホンをしたり、Discordのような音声チャットを活用して常時接続によりコミュニケーションをとりやすくするなど工夫している会社も多いと思います。実際に自分がやってみて思った以上に耳に負担が掛かっているなと感じたので、耳への負担を減らす工夫についてまとめてみたいと思います。

f:id:brtRiver:20200419102157p:plain

4行でまとめると

  • 長時間聞くのであれば音源と耳が遠い方が良い
  • ノイズキャンセルを無音で効き続けると耳鳴りの原因に
  • 密閉型よりは開放型のメリット・デメリットを理解
  • とりあえず持って無ければ Apple の EarPods がコスパ最強

目次

音を聞く場面は多種多様

テレカン(テレビ会議)はイヤホン、ヘッドホンは必須

 リモートワークで絶対に音を聞かなくてはならないのはテレカン(ビデオ会議)です。テレカンでは相手のネット回線の環境やマイクなどによって話している内容が聞き取りづらいこともあります。できるだけ聞き返さずに聞くためにはイヤホン、ヘッドホンは必須です。また、イヤホン、ヘッドホンを利用することで自分の声を拾うマイクがハウリングを起こさなくなります。「Zoomとかソフトウェアでエコーキャンセルとかしてくれるからいらないのでは?」と言う人もいると思いますが、そのエコーキャンセルの処理によってあなたの声が相手に聞こえづらくい音声に加工されてしまうということを知っておきましょう。

常時接続チャット (Discord) は マイクOFF時はイヤホン、ヘッドホン以外で聞く

 リモートワークでも、となりで一緒に仕事をしているようなコミュニケーションをとるために常時音声チャットができるような環境を用意するととても仕事がやりやすくなります。一番オススメなのは Discord です。Discordはゲームの音声チャットとして有名ですが、さすが音声チャットがメインだけあって音声がとてもクリアです。ビデオ通話もできますし社内のミーティングもDIscordでいいのでは?と思ってしまうほどです。

discordapp.com

 そんなDiscordですが、基本いつ「ちょっといいですか」と話しかけられるか分からないため音声をモニタリングする必要があります。そうなると業務時間中ずっとイヤホン、ヘッドホンをしているとなるとかなり耳が疲れます。疲れる理由の推測は後述しますがDiscordで自分が話さない間は、PCのスピーカー、または外部スピーカーから鳴らすようにするのがオススメです。

仕事中にBGMを聞きたい場合は外部スピーカーがベスト

 会社で仕事するときにヘッドホンでBGMを効きながら仕事していた人も多いと思います。それは職場の環境音を遮断し仕事に集中できるからだと思います。しかし、ずっとヘッドホンしていることでそれなりに耳への圧迫があるため一日中していると疲れると思います。

 家で仕事をする場合は、家族など同居者がいなければ職場ほど環境音がひどいことは少ないと思います。そういう場合はヘッドホンではなくPCのスピーカー、外部スピーカーからBGMを鳴らすと耳の負担も減ります。

近距離(イヤホン・ヘッドホン) と 遠距離(PC内蔵・外部スピーカー)を使い分ける

 このように場面によって耳の近くで聞く(イヤホン・ヘッドホン)か、耳から離れて聞く(PC内蔵・外部スピーカー)かを使い分けた方が耳への負担は減ります。それはイヤホンを長時間装着することによる疲れという理由もありますが、脳内定位(説明は後述)と音源が耳に近いほうが耳にダイレクトに聞こえるために疲れるのとだと思います。イメージとしては音源が近いということは耳元で話しかけられているのに近いと思います。さすがにそれがずっと続くのはしんどいですよね。 

 そのためしっかりと聞き取らなくてはならない場合はイヤホンで、そうでない場合は環境音として外部スピーカーからと使い分けることで耳の疲れは軽減されます。

イヤホン・ヘッドホンの注意点

脳内定位で脳みそが疲れる

 密閉型のイヤホンで聞く場合は脳内定位の問題があります。

頭内定位とは、イヤホンやヘッドホン再生で生じる、左右チャンネルの音がそれぞれ空間で混じり合わずに直接耳に届くことによって起きる音の認知であり、本来立体感を伴って空間に定位するはずの音像が、まるで頭の中で鳴っているように聞こえる現象だ。

引用元: https://online.stereosound.co.jp/_ct/17286424

 高級なイヤホンなどでは残響音を補正するような仕組みを持っていたりもありますが、基本普通の聞こえ方とは異なるため長時間聞いていると脳みそが疲れてきます。

ノイキャンで無音状態は耳鳴りの原因

 完全独立イヤホンとノイキャンがここ最近の流行りになっています。Bose(Bose QuietControl 30)、SONY(WF-1000XM3)、Apple(AirPods Pro)が有名ですね。ノイキャンは一度体験するとその静粛性とその結果小さい音でも聞きやすくなるので感動します。

 しかしその一方でノイキャンだけが有効になっている無音状態でずっと装着していると耳鳴りがしてくる場合があります。これは脳みそが音が聞こえなくなったため耳の感度を上げすぎてしまうからでありごく普通の現象(耳音響放射)です。これは脳みそが頑張りすぎている結果ですので、ノイキャンを有効にしながら無音状態で装着するのを避けることで耳への負担は減ります。

ja.wikipedia.org

 そういう意味ではノイキャンの性能よりも外音取り込みモード(アンビエントモード)が優秀なイヤホンのほうがリモートワークには向いているといえるかもしれませんね。

 また、ノイキャンでなくても密封性が高いイヤホンをつけている場合も同様です。

密閉型よりは半開放型(セミオープン)

 この脳内定位と耳鳴りを軽減させる方法としては密閉型ではなく半開放型のイヤホン、ヘッドホンを使うということが考えられます。

 会社では開放型のヘッドホンで仕事していると、まわりに音漏れが発生し迷惑掛けますがリモートワークであれば開放型を選択すると快適になると思います。

 注意点は開放型には2種類あり 開放型(フルオープン)と半開放型(セミオープン)です。開放型のほうがより自然に聞こえる反面音漏れも大きくなります。テレカンで使う場合は音漏れが大きいとハウリング(エコー)の原因になります。

 なので、リモートワークでは開放型よりは半開放型がオススメです。

サウンドハウス セミオープン イヤホン・ヘッドホン一覧

とりあえずコスパが良い半開放型イヤホンを買うなら Apple EarPods

 もし手元に昔iPhone買ったときに付属でついていた Apple EarPods (3.5mm ヘッドホンプラグ)がある人はそれを使いましょう。EarPodsはセブンイレブンでも販売していますし、密閉型ではなくセミオープンな作りになっています。さらには付属のマイクも口元の近くに位置するので声もそれなりにクリアに拾えます。

f:id:brtRiver:20200419102157p:plain

 リモートワークでお金を掛けずに快適な環境つくりたいのであればとりあえず EarPods買っておけば間違いないです。

 

PC内蔵・外部スピーカーの注意点

PC内蔵スピーカーで十分。スピーカーをミュート(無音)する操作は覚えておく!

 新しくスピーカーを買わなくてもだいたいPC内蔵スピーカーで十分です。むしろどこで鳴らすかよりも、ミュート(無音)するボタン操作は必ず覚えておきましょう。テレカン中に自分が原因でハウリング(エコー)が発生した場合は迷わずボリュームをゼロにすれば一旦収まります。(マイクをOFFにしても収まりますがマイクをOFFにするのはアプリによってキーボード操作が違ったりします)

外部スピーカーで鳴らすほうがより自然な環境音で聞くことが可能

 余裕があるのであればBT接続の外部スピーカーも検討してみると良いと思います。その場合に高音が気になる場合はは耳に直接スピーカーを向けずに間接的に耳に届くようにするとより自然に聞こえる場合があります。スピーカーの設置位置は色々と工夫してみると良いと思います。

 DIscordの音声をBoseの SoundLink Mini で聞いてみたらかなり隣で一緒に仕事しているときに話しかけられる感覚に近いと思いました。これはSoundLink Miniはかなり低音がでるので音がスカスカにならないからだと思います。

otoaji.hatenablog.jp

まとめ

 リモートワークをする場合に思った以上に耳が疲れてしまうので、ずっとイヤホン、ヘッドホンをするというのは避けたほうが良いです。PC内蔵・外部スピーカーを利用しつつ耳へのストレスをへらす工夫は必要です。

 また、音の聞こえ方は人それぞれです。これを機会に自分にあったリモートワークのリスニング環境を整えてみるというと良いかもしれませんね。