音味

音響や配信に関するメモ書

"誰でも簡単にできる" 赤ちゃんが泣いていても快適にビデオ会議できるマイクセッティング

 以前無駄にガチで環境を作って子供の声ができるだけ入らない環境を作ってみた記事を書きました。

otoaji.hatenablog.jp

 今みてもガチすぎてあまり参考にならないのですが、この記事を書いてから1年が過ぎましたが、さらにリモートワークでビデオ会議をこなしていく中で色々試した結果かなりシンプルな構成で快適にビデオ会議ができています。今回はどうやって家庭環境音を減らしつつ良い音声を届けながら快適にビデオ会議をやっているかについて書いてみたいと思います。

4行でまとめると

  • PC内蔵のマイク、スピーカーは使わない
  • 家庭音のノイズキャンセルするのはマイクを買い換えることではなくKrispを使うこと
  • マイクはPCにUSB接続できるタイプにする
  • 耳をふさがないイヤホンを使うと話しやすい

目次

PC内蔵のマイク、スピーカーは使わない (最新のiMac以外)

相手から指摘されないかもしれないが音質が劣化することが多い

 最新のiMacはビデオ会議で使うことも想定した設計になっているのですが、普通のPC付属のスピーカー、マイクはビデオ会議で使うと大体トラブルになります。zoomではエコーキャンセル機能があるので、PCのスピーカーで鳴らしながら話すこともできますが、相手に聞こえる音質は劣化したり話しはじめが途切れたりすることがあります。何も指摘されないからOKではなくそもそもきちんとモニタとマイクを用意しましょう

ノイズを減らすのは Krisp に頼る

 この記事の本題はこれです。とにかく赤ちゃんの泣き声や子供の声など家庭音を減らしたいのであれば Krispを使いましょう。  とりあえず実際にカフェの音を鳴らしているときの聞こえ方をKrispなしとありでどう違うかをmeetの録画で録ったものを聞いてみてください。(マイク: SHURE MV5)

カフェの音 + SHURE MV5 (Krisp無し)

 

カフェの音 + SHURE MV5 (Krisp有り)

 

Krisp って何?

jp.vcube.com

 zoomなどにはアプリケーションにノイズキャンセル機能がありますが、より強力なノイズキャンセル機能だけが独立して使えるアプリケーションです。

 特徴はノイズキャンセルが強い割に音質をあまり劣化しないという点です。聞いてもらうとわかるとおりキーボードの打鍵音もキャンセルされていますし、咳などの突発的なノイズもキャンセルしてくれます。

 

f:id:brtRiver:20210624051318p:plain
Krispの設定画面

 無料版では週毎に利用できる時間制限がありますが、それ以外は機能の差はないので気軽に試せます。またオーディオインターフェース経由の場合にマイクの選択肢には表示されるが選択しても入力を確認できないみたいなこともありますので、自分の環境で使えるかどうかの確認は必須です。

 指向性が強く周りの音を拾いづらいダイナミックマイクを使うなど色々方法はありますがKrispを使うのが2021年6月現在では一番シンプルな解決策だと思います。

最適なマイク選び

 どのマイクを選ぶにしても、自分の声を相手にどう聞こえているかはQuickTimeなどで録音して実際に聞いてみるのが一番です。と書いた上で...

迷ったら EarPods でOK

 Krisp を使うのであれば EarPodsで十分だと思います。数万円するマイクにする必要はそこまでありません。なぜならどんなに高音質で収音してもアプリケーションで圧縮されて音質はそれなりに劣化するので相手側ではそこまでの違いはなくなるからです。

BlueToothイヤホンに付属するマイクは音質は悪い

 イヤホンに付属しているマイクを使う人も多いかもしれませんが、BT接続のマイクの音質は有線のものより確実に劣ります。とても良いなと思ってもEarPods以下の音質ということは多いです。たいていのマイク音質は一昔前の電話音質ぐらいがほとんどです。

 緊急なとき以外はBTのイヤホン付属のマイクを使うのは避けたほうが良いです。

扱いやすさを考慮するならUSB接続のマイクを買う

 もしマイクを買うのであればUSB接続のマイクにしましょう。本格的すぎてオーディオインターフェースを用意しなくてはならないマイク(XLR端子、ファンタム電源...)もありますが気軽さがありません。もちろんミキサーで音量調整できたりミュートできるメリットはありますが、音がならないときにフェーダーが下がっていたとかトラブルの原因にもなります。

 また、プラグインパワーのマイク(3.5mmに刺すタイプのマイク)もありますが、ステレオミニプラグは接触不良などの問題を起こしやすくノイズの原因になったりするのでおすすめしません。買うならUSB接続タイプのマイクにしましょう。自分はとりあえず SHURE MV5 をおすすめしてますが、AKGからも同様のUSBマイク(Lyra Y-3)は出ていますしお好みで選ぶと良いと思います。

マイクと口もとの距離を適切に保つ

 どんなに良いマイクを買ってもマイクが遠いと声以外の音も大きくしないといけないので良い音にはなりません。また近すぎるとダイナミックマイクだと近接効果といって低音が強調された音になったり、鼻息や息遣いなど聞こえたくない音まで拾ってしまう可能性もあります。

 声量、マイクの種類によって適切な距離は変わってきますが、できるだけマイクに近いほうが綺麗な音声を届けることができます。自分の声をQuickTimeなどで実際に録音してみて適切な距離を探してみてください。

amazonで販売されているよくわからないメーカーのマイクは避ける

 amazonには数千円の聞いたことのないメーカーのコンデンサーUSBマイクが売ってあります。スペックを見るとまともに見えますが安いには安いなりの理由があります。とくに指向性については言ったもの勝ちなところがあるので単一指向性と書いていても周りの音も結構拾うということもあります。

 また、極端に感度が悪くて「音が小さい」と言われたりすることもあるかもしれません。音質も籠もっていたり明瞭さがない、ノイズが乗るなどの問題もあるかもしれません。レビューもあまりあてにはならないことが多いですし、聞いたことのあるメーカーのマイクにしておきましょう

最適なモニタ選び

密封性が高いイヤホンは聞こえやすいが話しづらい

 最近はやりの完全ワイヤレスイヤホンなどは密封性が高いためイヤホンで聞きながら話をすると自分の声は直接耳から聞こえなく発声が振動で聞こえてくる状態になります。これは自分がどれぐらいの音量で話をしているのかが把握が難しいので話しづらい原因になります。

 つまり、普段人間は自分の声も耳から聞きながらでもその音を脳みそが自然にキャンセルしつつ周りの音を聞いているんだなということがわかります。人間の脳みそってよくできてますね。そして、その機能を阻害してしまう密封性が高いイヤホンはどんなに外音取り込み機能が優秀でも違和感が出てきてしまうんだなと思います。

耳を塞がないのが最適なモニタ方法

 オープンエア型(EarPods)のイヤホンにすると話しやすくはなりますが、一番の理想は耳を塞がないことです。今ある製品で一番有名なのはambieとAfterShokzの骨伝導イヤホンだと思います。

ambie

ambie.co.jp

 イヤリングのように付けるイヤホンです。耳元に小さなスピーカーがあるイメージです。この夏にはワイヤレスタイプも用意されるようなのでより邪魔にならない状態で使えると思います。欠点としては周りがうるさいと音量上げても聞こえづらいということはあるかもしれません。

AfterShokz 骨伝導イヤホン

 自分が利用しているのは AfterShokzの骨伝導イヤホンです。ambieほど小さくありませんが、長時間付けていても圧迫感はほぼありませんしambieよりも自然な音質で相手の声を聞くことができました。マイクの機能もついていますが SHURE MV5 を使うほうが明らかに音がいいのでイヤホンの機能だけ使っています。