ゼンハイザー IE 100 PRO レビュー : フラットなダイナミックインイヤーモニター。軽くて心地よい装着感と密封度が高くしっかりとした遮音性
IEM(インイヤーモニター)は、もともとはステージで演奏するときに返し(モニタ)を聞くために用意されたイヤホンです。ステージではギターやドラムなど多くの楽器が大音量でなっています。その中でボーカルなど生音、ドラムベースのリズム隊をしっかりモニタする必要があります。そのためしっかりと耳に密着し遮音性が高い必要あります。また、あくまでもモニタとして聞くためステージで聞いているのと同じ自然な味付けの音質、つまりフラットな音質で聞く必要があります。
低価格から色々ありますが、今回ゼンハイザーからIE 100 PROが発売されました。特徴としてはIEMとしての設計はもちろんのこと1つのダイナミックドライバーであったり、とにかく心地よい装着感が特徴です。
装着感の快適さはこれからの蒸し暑い夏の季節においては仕事のBGMを聞いたり、リモート会議のモニタとして利用する用途にもぴったりです。実際に利用してみて感じたことをレビューしてみたいと思います。
4行でまとめると
- ワンドライバーの音質はとても素直で良い。癖はないがちょっと中高音域がやんちゃかもしれない
- 装着感は快適そのもの。そこらへんの安いノイズキャンセル機能よりも遮音性が高いので環境音は気にならない
- イヤーピースも圧迫感が少なめで良いが丸一日装着しっぱなしは辛い
- インピーダンスが低いので接続機器を選ばない。ただし小さい音量での調整が厳しい
目次
- 4行でまとめると
- 目次
- スペック
- IE 100 PROのシングルダイナミックドライバの音質は優秀
- IE 100 PRO の装着感は快適
- インピーダンスはもう少し高くしてほしかった
- ケーブルはちょっと短いぞ
- IE 100 PRO はどういう用途にあっているのか?
スペック
IE 100 PROのシングルダイナミックドライバの音質は優秀
なんといっても、シングルダイナミックドライバーであることですね。大体のIEMはドライバの数で各音域の再現性を高めようとしていますが、ゼンハイザーは1つのドライバで全帯域を出すことにこだわっています。ゼンハイザーならではのこだわり部分でもありますしIE 100 PROを聞いて実際とても素直な音だと感じました。モニタの音としては気になることはありませんでした。
とくに中低音はきちんと聞こえます。うるさいのではなくてちゃんと聞こえます。ボリュームを最小にしてもきちんとドラムのキックとベースは聞こえてきますし、ボリュームを上げていっても低音がうるさすぎることはありませんでした。これはドライバが優れていることと、IE 100 PROの構造とイヤーピースがしっかりと密着性高く装着できることで遮音性が高いため低音がしっかり聞こえているからだと思いました。
その一方でまだエージングができていないからというのもあると思いますがちょっと中高域の音が少しやんちゃ(元気)な印象を受けました。ただ味付けされたというよりは存在感がましているという感じです。これから使い込んでいくなかで良い感じに落ち着いてくるとするとより自分好みな音質になりそうな予感です。
解像度の高さは値段相応という感じです。ただ、ステージのモニタとして聞くときはこれぐらいの解像度のほうが全体が馴染んで聞こえるので演奏しながら聞くのであればこれぐらいが個人的には好みです。リスニング目的で購入を検討されるかたは一度お店で試聴してみたほうが失敗しないと思いました。
IE 100 PRO の装着感は快適
普段はゼンハイザーのTrueWireless2を付けてたりするので、IE 100 PROを付けた第一印象は「軽い!ぴったり!気持ちいい」でした。それはそうですよねという感じですが、同じイヤホンであっても、完全ワイヤレスは重くて装着感はやっぱり犠牲になってるなというのを感じました。
もともと買った理由も、夏のリモート会議のモニタをヘッドホンで蒸れずに快適にしたかったというのがあったのですが、これだと付けてるのをほとんど意識しないレベルですし、メガネを掛けていても干渉して耳が痛くなることもありませんでした。ここは想定通りで満足度高い結果になってます。
ただし、さすがに丸一日装着しっぱなしはさすがに疲れると思います。ただ、丸一日装着していて疲れないのは Aftershokzの骨伝導イヤホンのような耳を塞がないタイプしかないと思うので長時間の装着でもそこまで疲れないので合格点です。
インピーダンスはもう少し高くしてほしかった
最近のイヤホンはインピーダンスが低めのものが多いです。これはスマホやPCのイヤホンジャックでも問題なく使えるようにするためだと思われます。そのおかげで大きめの音量でモニタすることができます。ただし、DACやオーディオインターフェースなどを通してIE 100 PROを使っているとむしろもっと小さい音量で聞きたいのにできないということがあります。I普段はリモート会議のモニタとして使っているので一番利用する音量レベル域での調整が良い感じにできないことがあるなぁと思いました。
自分にとってはインピーダンスはもう少し高いほうが嬉しかったと思いました。
ケーブルはちょっと短いぞ
付属するケーブルの長さは1.5m。 耳にかけて背中から回そうとすると1.5mだとちょっと短いかなぁと感じました。そこで BELDEN の延長ケーブルを買って使っています。
IE 100 PRO はどういう用途にあっているのか?
ライブのステージのモニタ以外でいうと、リモート会議のモニタ用イヤホンとして最適です。まわりの環境音をきにせず相手の声をしっかり聞くことができます。かつ、ヘッドホンのように蒸れたりすることもありません。夏場のリモート会議にはぴったりですね。
また、仕事に集中したいときにもこの遮音性の高さと味付けないフラットな音質は仕事に集中することを邪魔しない集中力を上げてくれると思います。
この内容で¥13,000-であればコスパもとても良いと思います。