音味

音響や配信に関するメモ書

SONY LinkBuds 本音レビュー : 骨伝導よりも自然な空気感のある音質で環境音が聞こえるのは素晴らしいが気になる点も多いイヤホン

 自宅からのビデオ会議でとにかく耳を塞いでしまうと自分の声のフィードバックがないため話しづらい経験をしたことがある人は多いと思います。実際自分もこれまで色々なヘッドホン、イヤホンを試してきましたが最近は骨伝導イヤホン(OpenComm)、スピーカーフォン(POLY SYNC 20)を会議で使うことが多くとても気に入っています。

 そんな中SONYからこれまでにないコンセプトのイヤホンが登場しました。それがLinkBudsです。ドーナツ状の真ん中に穴が空いた独自のスピーカーでスピーカーの音も聞こえるし環境音もそのまま聞こえてくるという仕組みです。

 ということは、これは骨伝導イヤホンよりも低音がしっかりきこえるしビデオ会議のイヤホンとして最強では?ということで実際に使ってみた感想を書いてみたいと思います。

3行でまとめると

  • 骨伝導イヤホンよりは聞いていて自然な音質。ビデオ会議でも十分使える
  • 本格的に音楽を聞くには不向き。音が軽い。ただ流し聞きしたりyoutube見たりといった目的にはピッタリ
  • 本体は軽いが、装着感は個人差がありそうなので長時間装着しっぱなしは辛い人がいるので注意

目次

装着感

とにかく小さい。軽い

 第一印象はとにかく小さくて軽いということでした。これはWF-1000XM4と本体持って比べると一目瞭然です。軽量化されたことで装着感で重さを感じることはほぼ無いと思います。

WF-1000XM4と比べて一回り小さいLinkBuds

WF-1000XM4の厚み
LinkBudsの厚み

短時間装着はまず問題ないが長時間装着ができるかどうかは耳の形状に依存

 ただし、装着方法が耳の穴に押し込むWF-1000XM4のようなタイプと異なり、耳のふちに引っ掛けるようなタイプになります。つまり穴で本体を支えるというよりは耳に本体が落ちないように引っ掛ける感じになります。これは自分の場合は短時間であれば問題なかったのですが長時間装着していると耳が痛くなりました。

 おそらく大半の人は短時間であれば問題ないと思いますが、LinkBudsのような装着方法のイヤホンは新しいタイプのため耳の形によっては長時間の装着が厳しい人がいるかもしれません。なので、可能であればお店などで実際に装着してみるのが無難です。

メガネ掛けながら、横になりながらの装着感は骨伝導イヤホンより上

 OpenCommは装着したまま横になるのはメガネとも干渉するしできませんでしたが、LinkBudsであれば干渉もせず横になることができました。これだけでも使える範囲が広がった感じがします。

相当動いても落ちる気配はないが長時間装着が辛い人もいる

接続性能

本体が小さくなった影響か、BTの接続可能範囲は WF-1000XM4より狭い

 つけたまま部屋を出てトイレにいくと接続がすぐに不安定になりました。これはWF-1000XM4のときより明らかに狭いです。本体が小さくなった分BTの電波が弱いと考えられます。頻繁に移動するような場合での利用は厳しい場面があるかもしれません。

音質

合格点。がんばって低音を出してくれてはいるが音圧はない。空気感は十分ある。過度な期待はしてはいけない

 LinkBudsはインイヤータイプのイヤホンと同じと考えてしまうとスカスカな音と感じます。これは構造上仕方がないと思いますが、開放型の割にはしっかりと低音が聞こえてくるとも言えると思います。また、どちらかというと外音が聞こえながら音楽も楽しめるという点では骨伝導と比較するほうが自然かもしれません。そう考えると骨伝導イヤホンよりもステレオ感は感じました。イメージとしては耳をスピーカーにくっつけて聞いている感じです。

 いい音楽を聞くためのイヤホンというよりは明らかにビデオ会議などでのモニタ用イヤホン、またはyoutubeなどのエンタメ動画を楽しむためのイヤホンに最適といったところでしょうか。

利用シーン

ビデオ会議のイヤホンとして

 ビデオ会議のイヤホンとしては最適です。まず耳を塞がないという点で自分の声が聞こえるのでとても話しやすいという点。また、相手の声が耳もとで聞こえるので音量を上げなくてもそれなりにしっかりと聞こえます。ビデオ会議では低音はそこそこなってさえいてくれれば自然な相手の声として認識できるためLinkBudsぐらいの音質がちょうどよいと感じました。

 また、LinkBudsにはマイクも付いています。性能はWF-1000XM4のマイクよりはちょっと劣ると感じましたが使えないことは無いレベルです。自宅で使うのであればマイクは別で用意してモニタとしてLinkBudsを使うのが一番かもしれません。ただし、LinkBudsのボリュームを上げすぎると音漏れが発生してエコーの原因になったりすることがあるので注意です。

Netflixyoutubeなどのエンタメ用モニタとして

 感覚としてはテレビを見ながら作業しているときに、家族に迷惑掛けずに自分用のスピーカーで音を聞きながら作業するのにピッタリといった感じです。開放型であることのメリットは聞き続けても耳が疲れないことです。インイヤーイヤホンを1日中つけることは脳みそが疲れますがLinkBudsなら疲労度はかなり低いと思います。

まとめ

 個人的にはOpneCommの骨伝導イヤホンよりは自然な音でエンタメを楽しんだり、ビデオ会議のモニタとして利用できています。今のところOpenCommの出番が減りその代わりにLinkBudsを使う機会が増えています。

 類似イヤホンがないだけになかなか比較が難しいところですし、2代目、3代目になるともっと装着感がよくなったり音質ももっとよくなることは想像できます。そう考えると初代のLinkBudsは割高な値段設定にも思えますし、装着感などにも課題があるようには思います。

 ただ、リモートワークでより快適なビデオ会議環境を考えいている人にはお気に入りの一台になるんじゃないかなと思いました。