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ゼンハイザー XS Lav USB-C レビュー: USB接続できるラベリア有線マイク(ピンマイク)は聞きやすい音質だが感度が低いので注意

基本ゼンハイザーが大好きな自分ですが、USB-Cのラベリア有線マイクが発売されるとのこと。国内販売前に海外のamazonで購入できたので実際に使ってみたレビューを書いてみたいと思います。

ja-jp.sennheiser.com

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ゼンハイザー XS Lav USB-C

3行でまとめると

  • 音質は間違いなくナチュラルで良い感じ
  • マイク感度は低いので注意 (OpenCommと同じぐらい?)
  • 無指向性マイクなのでそれなりに環境音を拾ってしまう

目次

ゼンハイザー XS Lav USB-C はどういう用途に適しているのか

ワイヤレスより安くて接続問題も気にしなくてすむVLOGのマイクとして

 用途としてVLOGなどのマイク、Web会議のマイクが考えられます。最近はワイヤレスが流行っていますが電池切れの心配も通信障害によるノイズの心配もないため、近距離での利用であれば有線のラベリアマイクは最適です。

 かつ、無線部分が無いので値段も1万円以下で購入できるお手軽さもあります。固定位置のカメラでそんなに動かない人にはかなり適していると思います。

Web会議の自分のマイクとして

 自分は、会社の自席で利用するWeb会議のマイクとしてOpenCommのマイクを利用していて最低限の音質は担保できていると思っています。最低限と書いたのは、OpenCommはそもそもBluetooth接続のため結構スカスカな音になってしまいます。これは仕様上の限界だと思っています。

 また、マイクのノイズキャンセル機能が影響しているかどうかはわからないのですが、かなり感度は低くWeb会議のマイクとして使うためにはPCのマイクの感度を最大にして、かつアプリケーション側の音量自動調整で音量を上げないとまわりの人の声よりどうしても小さくなってしまう問題があります。

 OpenCommの骨伝導のイヤホンはとても良い感じなのでマイクさえ... というところだったので、OpenCommと組み合わせてゼンハイザーの XS LAV ラベリアマイクを使ってみようと思ったのでした。 

ゼンハイザー XS Lav USB-C 仕様

  • ネクター: USB Type-C - 2.0 Full-Speed
  • 無指向性
  • 本体重量: 17 g
  • ケーブル長: 2.0 m
  • 周波数帯域: 70 to 18,000 Hz

 ゼンハイザーのデジタルラベリアマイクというと、まず真っ先に思い浮かべるのはXSW-D ワイヤレスですね。周波数特性などのカタログスペックではXSW-Dのマイクのほうがより高性能のようです。

www.sennheiser.co.jp

 実際に比べてみるとXSW-Dのほうがヘッドが大きめであったりと違いがわかります。

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左: XSW-D、右: XS Lav

内容物

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ゼンハイザー XS Lav USB-Cセット内容

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IKEAのようなわかりやすい解説シート

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XS Lav は防水でないので注意
 携帯用のケースが付いているのはうれしいですね。あと風防が付いています。会社の席で使う場合には風防なしで使っても問題ないと思います。またラベリアマイクの良いところは映像の邪魔にならないこと。ケーブルも2mあるのでまず足らずにこまることはありません。ただ、ラベリアマイクあるあるですが付けていることを忘れてそのまま席を立ったりするとマイク部分のケーブル結線に負荷が掛かって断線してしまう原因になったりすることがあるので注意です。写真のように輪っかにしておくと万が一引っ張ってしまったとしてもワンクッションおけるので少し安心です。

 

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ラベリアマイク(ピンマイク)は目立たないのが良い

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そこまで小さいということもないけど標準的な大きさ

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XS LAV の TOP部分

OpenCommのマイク と ゼンハイザー XS Lav USB-C を聴き比べ

 最初に書いたように、やりたかったことはOpenCommのマイクの代わりに使いたかったので実際にQuickTimeで録音したもので比較してみましょう。ノーマライズなどはいっさい行っていません。そのためかなり音が小さくなっている点はご了承ください (この感度の低さも含めてレビューしたいので

OpenComm のマイクで録音 (後半にカフェの雑音あり)

ゼンハイザー XS Lav USB-C で録音(後半にカフェの雑音あり)

さぁどうでしょう?音が綺麗かどうかよりもゼンハイザーのゲインの低さがOpenCommとさほど変わらない感じでちょっと厳しいなぁというのが第一印象としてありました。なのでWeb会議で使う場合はアプリケーション側のマイク音量の自動調整機能は必須になりますね。VLOGで使う場合はかならずノーマライズすることになりそうです。

 肝心の音については同じ音の大きさで聞くと明らかにゼンハイザー XS Lav のほうが中低音が録れているのでナチュラルな音になっているのがわかります。カフェの音がなっている状態では、カフェの中でしゃべっている感がとてもでています。OpenCommはノイズキャンセル機能がある程度効いてカフェの音があまり目立たない感じになっていることもわかります。

ゼンハイザー XS Lav に Krisp を組み合わせる

 会議の相手が聞くと考えると音質は ゼンハイザー XS Lavのほうが聞きやすいと思います。ただカフェの音のようなノイズが結構綺麗に入ってしまうが気になりますよね。

 そこは Krispとの併用をおすすめします。 Krisp はPCにインストールすることでお使いのマイクの音声からノイズキャンセルをしてくれるアプリケーションです。では、実際に ゼンハイザー XS Lav USB-C に Krispを組み合わせて録音した音声を聞いてみてください

 後半同じようにカフェの音を入れていますが、ほとんど聞こえなくなりました。完璧ですね。

まとめ

 音質そのものはとてもナチュラルでとても聞きやすい音質で録音できると思います。ただし、マイク感度は決して高くないのでVLOGでの利用であればノーマライズは必要になると思います。また、話すときはこころもち滑舌良くはっきりと大きめの声で話することを意識するとより良い感じに声を録音することができると思います。

 また、まわりが騒がしい環境でのWeb会議で利用する場合は meet, zoom に用意されているノイズキャンセル機能を活用するか、それでも環境音が気になる場合は Krisp と組み合わせると良い感じに使えそうです。

 実売価格が7~8000円程度になりそうな点と、持ち運びもでき邪魔にならない点を考えると、お手持ちの完全ワイヤレスなどのお好きなイヤホンと組み合わせてみるというのもお手軽に試せると思います。

 まだ日本国内で販売されていませんし日本国内のモデルが今販売されている今回レビューした海外版とは異なる可能性はありますのでその点については注意してください。

【追記】9.2に日本国内でも販売が開始されました。売れてそうですね。