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ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless2レビュー : ノイズキャンセルは強ければ良いってものじゃないがわかった高音質完全ワイヤレスイヤホン

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ゼンハイザー True Wireless2

3行でまとめると

  • ゼンハイザー(Sennheiser) らしい音質。しっかり低域がなりつつ解像度は高く立体感も感じる
  • 音質に影響の少ないノイズキャンセルは効きは弱いがメリットもあり(用途次第
  • 外音取り込みモードがより自然に。マイク性能がアップしたとあるが期待してはいけない

ja-jp.sennheiser.com

目次

ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless」の後継機種でパワーアップした True Wireless2

 True Wirelessが販売された当日に試聴して一目惚れで購入してから購入し約2年半愛用してきました。

otoaji.hatenablog.jp

 音質に対する不満は何もなかったので、買い替えするとなると廉価版であるCX 400BTも候補になるので買ったのですが、ちょうどキャンペーンをやっていたこともあり安く買えたので True Wireless2 "も" 買ってしまいました。

otoaji.hatenablog.jp

 そのおかげで CX 400BTとの聴き比べがゆっくりできるというよくわからない状況になっていますが、この記事では True Wirelss2 をじっくりレビューしたいと思います。

True Wireless2のカタログスペック

Sennheiser MOMENTUM True Wireless 2

項目 仕様
周波数特性 5 Hz ~ 21 kHz
形式 ダイナミック・密閉型
トランデューササイズ 7 mm
音圧レベル(SPL) 107 dB (1 kHz/1 mW)
アクティブノイズキャンセリング(ANC) イヤフォンごとにマイクを1つ搭載
マイク基本原理 MEMS
充電ボックス 600 mAh
動作時間 イアフォンバッテリーで7時間(テスト条件:距離1 mにあるiPhoneBluetooth AACコーデック、音量50%、Transparent Hearingオフ、ANCオフ、EQ設定なし)スイッチによる音楽再生が切られた状態)。28時間、充電ボックスバッテリー使用
バッテリーの充電時間 約 1.5 時間
イヤフォンの防水対策 IPX4による跳ね水からの保護
重量 イヤフォン: 各約 6 g 充電ボックス: 約 58 g
Bluetoothバージョン 5.1、クラス 1、 BLE 準拠
コーデック aptX®、AAC、SBC

 廉価版のCX 400BTとの大きな違いはTrue Wireless2にはノイズキャンセルがついていることと、生活レベルでの防水対応と、外音取り込み機能がある点です。

 あとカタログスペックでは音圧レベルが CX 400BTは 114dbなのに対してTrue Wireless2のほうが107dbと低くなっていますが、実際に最大音量で聞くことはないでしょうし十分なSPLだと思いました。

True Wireless2 実機レビュー

外観(ケース)

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(左)True Wireless2 / (真ん中) True Wireless / (右) CX-400BT

 見た目は前機種とほぼほぼ同じです。実際に触ってみて一番感じたところはヒンジ部分がしっかりしたところだと思いました。(自分は前機種のヒンジ部分が壊れたので嬉しい改善ポイント)

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ファブリックなので滑らず手にしっくりくるデザイン

 本体裏側にボタンがあり充電状況が色で大体わかるのも一緒。また、前機種のときは本体のバッテリーが勝手に放電されるっぽい挙動があったので家にいるときなどは外出に備えて常に本体は充電しておく必要があったのですがTrue Wireless2は改善された模様。これも地味に嬉しいポイントです。

外観(本体)

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新機種と前機種。こうやって比べると違いはわかる

 前機種より2mm小さくなったのですが、持ち比べないと小さくなったとは感じないぐらいです。ただもともと本体は大きい方だと思うので2mmでも小さくなることでも前機種で大きいと感じていた人には耳に当たらないなどつけ心地も改善されているんじゃないかなと思います。

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True Wireless2 と CX-400BTの比較

 CX 400BTと比べると丸みを帯びていてメッキ加工されているので高級感があります。ただ、個人的にはCX 400BTの形状のほうが掴みやすいのでケースから出し入れしやすいと思いました。

 イヤーピースの大きさは前回と変わらず。自分はMサイズを使っています。ペラペラだなぁという印象ありますがそのわりには付けても落ちてくるようなことはなくそれなりにの密封性はあると思います。

装着感

 前機種、CX 400BTと同じですね。装着の仕方には少しコツがあり、耳に入れたあとにねじり込んで固定する感じです。このねじり込みを行わないと音が正しく聞こえてこないのでスッカスカの音になるのと、装着感が安定しないので注意です。

 首を動かしても落ちてくる気配はありません。前機種から一度も落ちたことないのでTrue Wireless2でも大丈夫でしょう。

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十字の構造になってるイヤーピース

 イヤーピースは薄いのですが、内部が十字構造になっており耳に入れたときに円形部分の形ができるだけ保たれるようにしている工夫だと思います。AVIOTのTE-D01gのように耳の奥深くまで入ってくるというようなタイプもありますが、True Wireless2は適度な挿入感で完全ワイヤレスイヤホンを使ってきたことがある人には気になることはないと思います。

操作感

 タップすると「ピッパッパ」と回数を教えてくれる仕様は前機種と同じです。この操作性は CX 400BTでも同じですがこれに慣れてしまった自分にはもう物理ボタンの操作には戻れない感じがします。

 また、専用のアプリをスマホにいれることでボタンのカスタマイズとEQの調整ができます。が、EQはグライコに慣れてしまった自分からすると3チャンネルの簡易的なものなのでいじっても納得行く感じにはならないのでいじることはありません。下手にさわらないほうがいい感じな音質で聞けると思います。

接続安定性

 前機種の不満のひとつがペアリング完了するまでにかなり待たされることでした。取り出して耳に装着して ....... 15秒ぐらいしてから ペアリングが完了するみたいな感じで、一瞬「あれ?だいじょうぶ?」と最初は思ったものでした。

 あたらしい True Wireless2 では決して速いわけではないですが、10秒は掛からない感じです。不満点が解消したという速さにはなっていないですがマシになったという感じでしょうか。

 macbook airとペアリングして木造の建物で2階の部屋から離れて1階の台所に行くぐらいなら接続は切れることはなく安定していました。これだけ安定していれば通常使いでは困ることはないと思います。

音質

 さて肝心の音質ですが、前機種に引き続きとても優秀だと感じました。フラットな音というわけではないですが、しっかりとした中低域の音のなりと倍音がしっかり鳴っているからだと思いますが芯のある音が聞こえてくる感じです。音の立体感や解像度もワイヤレスでここまできれいに聞こえれば納得感がありました。

 ボリュームを一番最小にして聞いても、ボリュームを上げても音の聞こえ方は同じで、きちんとすべての楽器がおなじように聞こえます。ボリュームを下げるとたいていベースやドラムのキックがスカスカになってしまったり、ボリューム上げると高音が耳に刺さるとかあるのですがそういったことがなく自然なバランスで聞くことができます。

ノイズキャンセルの効きはとても弱いがとても良い

 他の方のレビューでもよく見ますが、間違いなくノイズキャンセルは弱いです。ノイズキャンセルの強さを求める人はゼンハイザーの True Wireless2 を買ってはいけません。

 ただ、このノイズキャンセルは音質に影響を与えないようになっているというのはすごく納得でした。ソニーboseのノイズキャンセルはとても優秀で年々より強力になっていると思いますが、その結果ノイズキャンセルがONのときにい環境音が大きいほど音質の解像度が下がっていると感じていました。

 これはアクティブタイプのノイズキャンセルは環境音の逆位相を鳴らすことで音を打ち消すのですが、それが楽曲のもともとの波形に少なからず影響を与えているからです。

 一方でTrue Wireless2では影響を与えない程度で薄くノイズキャンセルを掛けることで環境音の影響が楽曲の音に影響ができるだけでないようにしているのですね。

 なので、ノイズキャンセルが強いワイヤレスイヤホンの場合はうるさい場所に言ってもボリュームをそれほど上げる必要はありません。ただし聞いてる曲は外音がうるさいほど影響受けているので解像度は下がるでしょう。(場合によってはボリューム上げたほうがノイズ成分の影響受けづらいのでボリュームを上げている人も多いかもしれないですね)

 一方でTrue Wireless2の場合は無理なノイズキャンセルはしないので外音がうるさい場合はボリュームを上げる必要があります。適度にボリュームを上げることで、ノイズ成分が気にならないボリュームで且つ音質がイメージ通りのまま聞くことができると。(と、勝手に想像してみました)

 ボリュームを上げる時点で、本来のノイズキャンセルにある小さい音で聞くことができるという難聴にならないように耳にやさしいという点ではいまいちかもしれないです。とはいえCX-400BTのようにノイズキャンセルがついていない機種よりは小さくい音量で済むはずです。電車など都心などとてもうるさい場所で聞くことが多いのであればノイズキャンセル機能重視でしょうし、オフィスなど人の声などそれほど環境音が大きくないのであれば True Wireless2の適度なノイズキャンセルで理想の音で楽しむというように利用シーンで選択肢が別れてくると思います。

外音取り込み機能が自然すぎる

 前機種でも音楽再生を止めてイヤホン外部についているマイクで外音を拾って聞こえるようにするモードがあったのですが、いまいちノイジーというか聞きづらいことがあり、コンビニなどで支払いのときは片耳外してたりしていたのですが、 True Wireless2になってかなり自然な聞こえ方になりました。イヤホンしているのにしていない感覚がとても不思議ですが、このレベルであればコンビニなどの支払いや電車でアナウンスを聞きたいときなどの場面でも十分活用できています。

 この機能が前機種と比べて一番使いやすくなったなと感じた部分かもしれないですね。

通話音質はおまけ

 これはTrue Wireless2に限ったことではないのですが、Web会議でのマイクとしてTrue Wireless2を使うのは止めましょう。会議の参加者は指摘してくれないかもしれませんが届く声はトランシーバーレベルだと思っておきましょう。EarPodsのマイクのほうが数倍マシです。

 Web会議でTrue Wireless2 を使うなら音を聞くだけにしてマイクは別のものを使いましょう。

通勤電車でTrue Wireless2を使ってみて

ノイズキャンセルの効果はかなり薄いが自然

 さすがに通勤電車の環境音が全部消えるSonyのようなノイキャン感はないので他社のノイキャンが強いイヤホンと比べるとボリュームは大きめになってしまうかなというところです。ただ聞こえる音そのものはノイキャンの影響はほぼ受けていないため違和感ありませんし、もともと遮音性もそれなりに高いので環境音が大きすぎて音楽を楽しめないということは無いと思いました。

 電車の車窓から見える桜を見ながらケツメイシのさくらを聞いてるとまるでリアルなMVの世界に入ったかのような感覚になりました。

www.youtube.com

音楽を聞くなら問題なし。動画試聴だともう少しノイキャンがほしくなる

 通勤電車でyoutubeを見るみたいなシーンを想定するとみたいyoutubeの動画の音質があまりよくない場合もあるでしょうし、そういう場合はTrue Wireless2じゃなくてノイキャンが強い SONY WF-1000XM3 のほうが適していると思います。

 また、自分は標準のイヤーピースをより密着性の高い AZLA SednaEarfit XELASTEC に換えてます。標準のイヤーピースより多少遮音性が上がったかなと感じる感じどちらかというと装着感が気に入ってる感じですが、この差だけでも通勤電車のような場面では有用かもしれません。

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 自分にとっては強すぎるノイキャンのイヤホンを使っていたときも強さを抑えて外音が多少聞こえるようにしていました。これは乗り過ごしてしまったことがあったり、多少聞こえていたほうが安心するということに気づいたからなのですが、そういう自分にとって TrueWireless2のノイキャンの弱さはもう少し強いと嬉しかったと思いつつもこれぐらいでも十分だなと思えるレベルでした。

まとめ

 価格は高いですが音質は間違いないです。素直に音楽を楽しめます。あまりノイキャンを必要としないようなリモートワークで自宅で集中して作業するときなどはノイズキャンセルも有効にし小さめの音で耳に優しい状態でも十分な臨場感ある音質で仕事にも集中できると思います。ただ騒音がとても大きい場所で利用することがメインの場合は、True Wireless2ではないノイズキャンセルが強い機種のほうが満足度は高いかもしれません。

 そこまでうるさくないオフィスなどで仕事に集中するために利用するのであれば適度なノイズキャンセルで結果良い音で聞ける True Wireless2 はとても魅力ある1台だと思います。

 もし、そもそもそれなりに静かな部屋でイヤーピースを換えたりすることで十分な方はノイズキャンセルが付いていない CX 400BT のほうがコスパは良いと思います。ただ、定価はそれほど安いというわけではないので、キャンペーンで安くなっているタイミングを狙って買うのが賢いかもしれないですね。