音味

音響や配信に関するメモ書

テレカンのマイクは最低限の音質をクリアしていればいいのに頑張りすぎ という話

【追記】ブクマでコメントいただいたので追記書きました

【追記2】この記事でのテレカンとはzoomやmeetなどのビデオ会議、Web会議のことです 。最初からWebのオンライン会議ってしておけばよかった...

【テレカンとは?】メリット5つと電話・テレビ・ウェブの選び方を紹介 | オンライン商談ツール・システムなら VCRM

というtweetをして、タイトルで言いたいこと書いてしまってさらに記事にする理由なくなったのですが、せっかくなので言いたかったことを書いてみます。

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aroundで使っているマイクとカメラ

3行でまとめると

  • ある程度聞きやすい音質であればそれ以上の高音質にする必要がない
  • ボーカルレコーディングじゃないので息遣いが伝わる必要がない
  • 環境音はテレカンツールがいい感じに補正してくれる

目次

テレカンは相手の声が聞こえづらい場面は減ってきた

 テレカンでは音はとても大事です。映像よりも大事です。これはテレカンを毎日のようにやってきた皆さんには同意してもらえると思います。相手の声が聞こえづらいときは

  • マイクがPC内蔵マイクを使っていて音質が悪い
  • BTイヤホンのマイクを使っていて音質悪い
  • 周りの環境音(ノイズ)が大きくて声を聞きとりづらい
  • 滑舌が悪い、声が小さすぎて聞きとりづらい

 大体これらのどれかに当てはまります。リモートワーク開始当初は上記のような理由でテレカンの音声が悪くて困ったことも多かったと思いますが、今ではそれなりに各自が改善して聞こえづらくて困るという場面は少なくなったのではないでしょうか?

とりあえずマイクを用意しようと思うのであればEarPodsでいい

 出社してもミーティングはテレカンでやるということもあると思います。そういう場合のためにも持ち運びできるマイクが必要みたいな場合は何も考えずに EarPodsにしましょう。  マイクの性能はごく普通ですが自然な音声で集音できますしコスパ最強ですし、セブンイレブンでも売ってる手軽さは最強です。

どういう音質がテレカンに適しているのか?

高音質であればより聞きやすいのか?

 歌のレコーディングする場合、ナレーションを録音する場合などは高音質であればあるほど良いのは間違いないと思います。しかし私達が使う場面はテレカンです。テレカンはそれぞれの異なる環境で、しかもあまり防音なども考慮されていないような場所での複数人の声が飛び交います。

 テレカンにはテレカンに適したマイクの選択肢が出てきます。また、マイク自体の性能が高くてもテレカンのアプリケーションでデータ転送量をへらすための圧縮処理や環境音を減らすための処理も行われています。つまり、マイクでどんなにきれいに集音できてもその音声のまま相手に届いているわけではありません。

 強引に車で例えるなら、フェラーリ(高音質コンデンサマイク + オーディオインターフェース) で道幅が狭い一般道(テレカン)を爆走できずにノロノロ走ってるという感じでしょうか

 1000円のマイクと10000円のマイクではさすがに違いは出てくると思います。しかし1万円のマイクと5万円のマイクはテレカンにおいては聞いてる側にはその差はわからないと思います。

テレカンはみんなの声が同じような音質で聞こえるのが一番自然に会議できる説

 最近だとclubhouseが流行ってますが、clubhouseがラジオっぽさを感じる人が多いと想います。これは、話す人が全員iPhoneで大体マイクの種類がEarPodsかAirPodsに限定されてくるため全員の声質が同じような感じになるため同じ空間に全員がいるように聞こえるというのがあると想います。

 もし、一人だけコンデンサマイクつないでめっちゃ耳元で話すような感じの音声になっていたらこの一体感が出てこなくなると想います。

 このことがテレカンでも言えるのではないでしょうか。特に30分以上の話す人が多いテレカンでは特に...

 一番最低の音質がEarPodsの音質だとすると、会社が全社員にEarPodsを配って使うようにしてもらうとかclubhouseのような感じになって話しやすいんじゃないかなと思ったりします。

マイクと口の距離と空気感の関係

 マイクスタンドを使ってマイクと口の距離をできるだけ近づけたり、ヘッドセットで口元にマイクがある環境でテレカンしている方も多いと想います。これは口元とマイクが近いので反響音を拾わずによりはっきりと声を集音できるという意味ではとても正解です。ただその一方で声がはっきり聞こえすぎて長時間のミーティングの場合は聞いてる側が疲れてくる問題があります。

 ある程度空気感(ちょっと離れて聞こえてくる感じ)の音声のほうが実際の対面のミーティングに近いので脳みそも疲れません*1。また参加人数が多い場合に、声が近くで聞こえる人と遠くに聞こえる人が混じっていると聞こえ方が人によって違うのも脳みそがが疲れます*2

 また、マイクが近い場合は吹かれ(破裂音)が気になったり、大声(笑い声)で過大入力になってデジタル特有のノイズになったりする場合があります。ラジオ番組、レコーディングなどではそもそも途中に色々噛ます(コンプレッサー、リミッター、ディエッサー)ことで話す人が気にせずにいい感じに調整しています。

 このあたりはSHURE MV5のようなUSBで接続するタイプのコンデンサマイクであればDSPが内蔵されていていい感じに自動調整してくているものもあります。ただし、YAMAHA AG03 経由でただ取り込んでいるだけのような場合は自動調整されるわけではないので笑ったりするときはマイクから離れるようにするなど意識したほうがいいですね。(難しそう)

 

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SHURE MV5C にはディエッサーが内蔵

テレカンのツールが音質を良い意味で劣化させている

 ここでいう空気感は息遣いではなく、適切な距離感が伝わるマイクということです。EarPodsがヘッドセットや高級コンデンサマイク + オーディオインターフェース よりテレカンに適していると思うのはこの部分です。また、zoom、meet、around、Teams... あらゆるテレカンツールはマイクの原音を相手に届けることはなく、環境音やエコーキャンセル処理した音を圧縮して送信しています。特性に違いはあれど音声は劣化します。

 もちろん高解像度で集音できるマイクを使ったほうが圧縮されたあとの音声がきれいなのは間違いありません。ただし、ある程度きちんととれているレベルであればその差はよりわからなくなると思います。つまり頑張りすぎる必要はないのです。

 もちろん、マイクの特性を理解して適切にオペレーションできるのであればゼンハイザーのMKE600で環境作るとか、SHURE SM7Bでテレカン環境作るとかは楽しいですし良い音でテレカンできると思います。でも、それはマイクに詳しい人にしかおすすめしません。よくわからずにテレカンで環境用意するだけであればそんな環境は不要です。

www.sennheiser.co.jp

 安すぎる中華マイクは避けつつ、EarPodsか出しても1万ちょっとぐらいのUSB接続マイクがおすすめです。

 高級なマイクをテレカンのために買う必要は基本ありません。

【追記】ブクマにコメントいただいていたので...

テレカンはマイクは最低限の音質をクリアしていればいいのに頑張りすぎ という話 - 音味

MTG程度であれば、マイクデバイスの差よりもソフトウェア的な入力レベル設定、マイクと口の位置関係や話し方、外部ノイズ環境など小手先でなんとかなる部分ができてないケースの方が多く思えるかな

2021/03/05 12:52
b.hatena.ne.jp

  同感です。マイク買う前にまずは今ある環境を改善したりしたほうが良いと思います。テレカンが増えた去年の5,6月ごろはそういった場面の指摘をすることが多かったですが、最近はそういった指摘をすることが減った印象あります。

テレカンはマイクは最低限の音質をクリアしていればいいのに頑張りすぎ という話 - 音味

最低限ラインが1万円マイクか…。個人的には1万円以上の高感度コンデンサマイクより、3千円くらいの単一指向性ボーカルマイクがよいと思う。余計な音を拾わないのでソフトのノイズキャンセル誤作動を防止できる

2021/03/05 13:11
b.hatena.ne.jp

最低限でいうとEarPods(3千円)で良いと思います。それ以上に投資してマイク買うときは指向性がしっかりしているマイクを買ったほうが良いのでそうなると...という話でした。単一指向性だとスペックでは書かれていても安いマイクだと結構環境音拾う安いマイクも多いなぁと。

*1:個人の感想です

*2:個人の感想です